米国向けの出荷前に、ラベルを最終確認するためのリストです。そのまま社内チェックに使える形にまとめました。1項目でも欠けていると、不当表示(misbranded)として輸入拒否の対象になり得ます。
製品ごとに1回、通してください。特に①〜⑥は法定の必須要素で、欠けていれば即座に不適合です。⑦〜⑫は「書いてあるのに不適合」になるパターンで、見落としが起きやすい領域です。
必須要素の確認(①〜⑥)
☐ ① 品名(Statement of Identity)
- 主要表示面(PDP)に記載されているか
- ブランド名だけでなく、食品の実体を示す一般名があるか(例:Rice Crackers、Soy Sauce)
- 他の表示より目立つ大きさか
☐ ② 内容量(Net Quantity of Contents)
- 米慣用単位とメートル法の両方が併記されているか(例:NET WT 3.5 OZ (100 g))
- PDPの下から30%以内にあるか
- PDP面積に応じた最小文字サイズを満たしているか
- 換算値を切り上げていないか
☐ ③ 原材料表示(Ingredients)
- 重量の多い順に並んでいるか(水を含めて判定したか)
- 「調味料(アミノ酸等)」等の一括名をそのまま英訳していないか
- 複合原材料の中身が展開されているか
- 着色料が個別名で書かれているか(例:FD&C Red No. 40)
- 保存料に機能の併記があるか(例:TO PRESERVE FRESHNESS)
☐ ④ 責任企業の名称と住所
- 名称に加えて、street / city / state / ZIP まで記載されているか
- 製造者以外を記載する場合、Distributed by 等の修飾語があるか
- 日本の住所のみ、または会社名のみ、になっていないか
☐ ⑤ 栄養成分表示(Nutrition Facts)
- 現行書式か(Added Sugars の行があるか)
- 必須4項目 Vitamin D / Calcium / Iron / Potassium が入っているか
- サービングサイズはRACCに基づいて設定されているか
- 数値は1サービングあたりか(100gあたりのままになっていないか)
- 丸めルールが項目ごとに正しく適用されているか
詳細:Nutrition Facts の作り方 完全ガイド / Added Sugars 表示の実務
☐ ⑥ アレルゲン表示
- 米国の9品目で判定しているか(ごまを含む)
- 日本の8品目をそのまま英訳していないか
- 魚・甲殻類・木の実は種類まで明示されているか(Salmon、Shrimp、Almonds 等)
- Contains文が原材料表示の直後にあるか
「書いてあるのに不適合」の確認(⑦〜⑫)
☐ ⑦ 記載面の配置
- ③④⑤が同じ面(情報パネル)に、間に他の情報を挟まず並んでいるか
- 情報パネルはPDPの右隣の面か(それが使えない場合は次に来る面)
- 原材料表示と栄養成分表示の間にロゴ・広告文・イラストが挟まっていないか
☐ ⑧ 文字サイズと視認性
- 情報パネルの表示が原則1/16インチ以上あるか
- 文字が過度に縦長・横長に変形されていないか
- 背景とのコントラストが十分か(地色に沈んでいないか)
- 透明フィルム越しに歪んで読めなくなっていないか
☐ ⑨ 英語表記
- 義務表示事項がすべて英語で記載されているか
- 日本語を併記する場合、義務表示事項がすべての言語で記載されているか
- 英語部分だけが極端に小さくなっていないか
☐ ⑩ 禁止表現・強調表示
- 「FDA認証取得」「FDA承認」と書いていないか(制度として存在しません)
- 病気の予防・治療を示唆する表現を使っていないか(医薬品とみなされるリスク)
- 「Low Sodium」「High in Fiber」等の栄養強調表示が、規則の基準を満たしているか
- 日本語パッケージのキャッチコピーを直訳して、根拠のない効果表現になっていないか
☐ ⑪ シール貼付の完全性(現物確認)
- 元の日本語表示が完全に隠れているか(内容量・原材料が透けていないか)
- シールの縁が浮いていない・剥がれないか(低温流通での剥離も確認)
- 貼付位置がPDPと情報パネルの関係を壊していないか
- ロット単位で貼付位置がばらついていないか
☐ ⑫ 版と実物の一致(最終)
- 承認したデータと印刷物が同一か(校了後に修正が入っていないか)
- 原材料の変更・産地変更がラベルに反映されているか
- 前回出荷から法令改正がなかったか
- 複数SKUで表記ゆれが生じていないか(社名・住所・単位表記)
実務で起きる事故のうち、規則の理解不足より多いのが「正しいデータは作ったが、印刷されたのは古い版だった」という運用ミスです。版管理の責任者を1人決めて、出荷前に現物とデータを突き合わせてください。
付随して確認しておくこと
ラベル以外にも、出荷を止める要因があります。あわせて確認してください。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| FDA施設登録(FFR) | 有効か。2026年は更新年(10/1〜12/31) |
| 米国代理人(U.S. Agent) | 契約が有効か。連絡が取れるか |
| 事前通知(Prior Notice) | 貨物ごとに提出したか |
| FSVP | 輸入者側の体制を確認したか。求められる資料を出せるか |
自社チェックの限界
このリストは網羅的ですが、チェック項目を知っていることと、判断できることは別です。特に次の3点は、自社確認では判断が難しい領域です。
- サービングサイズの妥当性 ― RACCのどのカテゴリに当てはめるかで数値が変わります
- 原材料の一般名 ― 日本の名称に対応する米国での一般名が一意に決まらないことがあります
- 強調表示の可否 ― 基準値の判定と表現の選択に、規則の読み込みが必要です
これらは「調べれば分かる」ものではなく、判断の蓄積が要る領域です。迷った時点で確認してください。出荷後に気づくと、選択肢がリラベルか返送しかなくなります。
チェックして不安が残った項目があれば、
無料FDAラベル診断にお送りください。リスク箇所を無料でフィードバックします。費用・依頼義務はありません。
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よくある質問
Q. 出荷前に確認すべき項目は?
必須5要素(品名・内容量・原材料・責任企業表示・栄養成分表示)とアレルゲン9品目、加えて記載面の配置、文字サイズ、英語表記、禁止表現、シール貼付の完全性、版と実物の一致の計12項目です。
Q. シール貼付での対応は問題ありませんか?
一般的な方法ですが、元の日本語表示が完全に隠れていること、剥がれないこと、PDPと情報パネルの要件を壊していないことが条件です。元の内容量が透けて見える状態は二重表示として指摘され得ます。
Q. 「FDA認証取得」と書いてもよいですか?
書けません。FDAに食品を認証する制度はなく、施設登録も届出にすぎません。消費者に誤認を与える表示として問題になります。
Q. 健康に良いといった表現は使えますか?
制限があります。栄養強調表示・健康強調表示には規則上の基準と表現方法があり、基準を満たさない使用は不当表示になります。病気の予防・治療を示唆する表現は医薬品とみなされるリスクがあります。
出典・一次情報
本記事は以下のFDA公式情報および米国連邦規則に基づいて作成しています。規制内容は改正される場合があるため、実務判断の際は必ず最新の一次情報をご確認ください。
- FDA「Food Labeling Guide」― fda.gov
- 21 CFR Part 101(食品表示)/101.3/101.4/101.5/101.9/101.105
- 連邦食品医薬品化粧品法(FD&C法)第403条(不当表示)
最終更新: 2026年8月23日
※ 本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別案件の法的助言ではありません。規制は改正される場合があります。